手術について

犬の避妊手術とは
全身麻酔をかけて、子宮や卵巣を摘出する手術です。
妊娠を望まなければ、生殖器関連の病気や性ホルモン関連の問題行動を予防する目的で、早期の手術するをおすすめしています。

腹腔鏡での避妊手術は近年注目されている、手術方法の一つです。 動物への痛みや体への負担が少なく、早期に退院できることが最大の利点と言われています。 その腹腔鏡手術についてご依頼、ご質問をいただきましたので
まだあまり一般的ではない腹腔鏡手術について、お話しします。

腹腔鏡での避妊手術
お腹を開けて、実際に目で見たり触れたりする一般的な開腹手術と比べ、腹腔鏡での手術は、お腹に小さく３ヵ所だけ穴を開け、そこからトロッカーと呼ばれる専用の器具を入れます小さな傷で手術が可能（約5mmの傷が３つ）となり、傷が小さいため、手術により起こる体内の炎症を抑えられ、痛みを抑えられる手術です。


手術の痛みの原因
卵巣は背中に強い靭帯があり従来の開腹手術では強く引っ張ってお腹の外に出さないといけません。避妊手術で強い痛みの原因は引っ張るとことで動物が痛みを感じているからです。腹腔鏡では卵巣が本来ある位置で切除できるので、この痛みはかなり軽減されます。

通常の手術では、お腹を数cm開きます。そのため、侵襲が大きく、完治後も大きな傷跡が残ってしまいます。腹腔鏡装置なら、小さな穴から筒状の小型カメラや鉗子をつかい処置を進めていくことができます。当然、傷口は非常に小さくなり当日歩いて帰ることも可能です。
 

もちろん、いい事ばかりではありません。腹腔鏡手術のデメリットとしては
 

開腹と比べ、手術時間が延長する

主に特殊な器械を用いて手術するため、一定の技術が必要です。
視野を確保するために行う炭酸ガス気腹処置により血液循環が影響を受ける場合があります。
生まれつきの異常をもっている場合は腹腔鏡は実施できません。
横隔膜ヘルニアや鼠径ヘルニアなど、お腹を覆う筋肉に欠損がある病気を持っている子は場合によっては開腹手術をお勧めすることもあります。
また、腹腔鏡手術には、多くの特殊な機器・経験・知識が必要です。このため、腹腔鏡下の手術は一般の開腹手術より手術費用がアップします。

大切なご家族の手術です。
それぞれの手術の特長を知ったうえで、その子にあった方法をご提案します。
分からないことがありましたら、まずは僕にご相談ください！